●豊平文庫 バージョン1.9.13 (更新2011/07/23)
豊平文庫は青空文庫専用のリーダーだ。bREADERやi文庫Sやi文庫のように青空文庫作品リストをアップデートする機能もない。内蔵されているリストはアプリのアップデートの際に更新される。
リスト以外のファイルを直接ダウンロードしたりOpen Inで他のアプリから開く機能もないので、アプリ更新日以降に公開された青空文庫作品を読む方法はない。
内蔵されたリストは、ランキング、新着作品など整備されていて、読書に慣れていないユーザでもダウンロードしやすくなっている。
バージョン1.9.13で読める最新の作品は、牧野信一の『私の変態心理』と分かる。
タイトルをタップすると、すぐにダウンロード画面が出る。"ダウンロードして読む"と"ダウンロードのみ"を選べる。この辺りのユーザインタフェースは分かりやすい。
"ダウンロードして読む"ボタンをタップすると、ダウンロードの後、自動的に1ページ目が開く。非常に簡単だ。
二倍ダーシがつながっていないことや、コロンが立ったままなのは気になるが、読み始めるまでが楽なのは評価できる。
では、7月24日に公開された豊平文庫 バージョン1.9.13は、どれぐらい新しい作品まで読めるのだろうか?
iPhoneのMobile Safariで"青空文庫 新着作品"を検索してみる。
『私の変態心理』は7月17日に青空文庫で公開されていたと分かった。アプリをAppleに提出してから、App Storeで公開されるまで、通常1週間程度かかるので、ちょうど計算が合う。
一方、青空文庫で公開されている最新の作品は、今日8月17日公開だ。今から1ヶ月以内に公開された作品は豊平文庫では読めないことになる。
今年に入ってからの豊平文庫のアップデート頻度を見ると、10000作品を突破した時の1.9.10を除くと、概ね1ヶ月間隔でアップデートされている。
つまり、Appleの審査期間を加えると、最悪で5週間以内の作品が読めないことになる。
繰り返すが、豊平文庫は青空文庫専用のリーダーだ。独自テキストを読めるようにとまでは望まないが、青空文庫として公開されている作品なら、最新のものまで読めるような何らかの手立てが欲しい。
次回は、最後に金沢文庫を取り上げる予定だ。(次に続く)