2011年08月22日

UIに優れた青空文庫リーダーbREADERの削除機能に提案

青空文庫リーダーbREADER バージョン1.2.7の日本語組版の美しさには定評があるが、bREADERの魅力はそれだけではない。

本棚や本文をピンチ操作して単純にズームするのではなく、本や文字の大きさに応じて並べ直してくれるリフローを行ってくれるのはbREADERだけだ。操作のレスポンスも心地良い。

ただ、その優れたユーザインタフェイスも完全無欠とまでは言えない。

今日は削除機能に絞って、いくつか提案したい。

現状をまず見てみよう。

bREADER 1.2.7 本棚画面

上は本棚画面だ。ここで左上の編集ボタンをタップすると編集モードになる。

bREADER 1.2.7 編集モード

編集モードでは、チェックマークが入る丸が本の左肩に現れる。左下には"本を削除"という目立つ赤いボタンも現れるが、字が薄くまだ機能が有効でないことが見て取れる。

bREADER 1.2.7 本を選択

それぞれの本をタップすると、丸が赤くなりチェックマークが入る。同時に"本を削除"の白抜き文字も明瞭になり、選択した数が括弧書きされて、削除機能が有効になったことが明示される。

bREADER 1.2.7 削除確認

"本を削除"をタップすると、削除確認のダイアログが現れる。

bREADER 1.2.7 設定画面

削除確認のダイアログは"iPhoneの設定アプリ>bREADER>本棚を削除する前に確認"がオフの時は現れない。

bREADER 1.2.7 再び編集モード

削除を実行後、再び編集モードに戻る。編集モードを抜けるには、左上の"完了"ボタンのタップが必要だ。

画面右上の三本線アイコンをタップしてリスト画面に切り替えた場合も同様だ。

bREADER 1.2.7 リスト画面

"編集"ボタンで編集モードに入る。

bREADER 1.2.7 編集モード

サムネイルが薄くなり、それに重ねて丸が表示される。"本を削除"ボタンが現れるがまだ薄いままだ。

bREADER 1.2.7 本を選択

本をタップすると選択した印として丸が赤くなりチェックマークが入る。

bREADER 1.2.7 削除確認

"本を削除"ボタンで削除確認のダイアログが出るかどうかは、やはり"本棚を削除する前に確認"の設定次第だ。

bREADER 1.2.7 再び編集モード

削除の実行後は再び編集モードに戻る。

ここまで、本を1冊だけ削除するのに、本棚画面とリスト画面を問わず、"削除確認"がオンなら5ステップ、オフなら4ステップを要する。

第1の提案は、最後の"完了"の省略だ。

複数選択して削除できるのだから、削除の操作を繰り返すことは少ないはずだ。

また、"まとめる"ボタンの場合は、本をグループにまとめた後、自動的に編集モードを抜ける仕様になっている。

同様に、削除の後、自動的に編集モードを抜ける仕様にすれば、1冊だけ削除する場合、最短3ステップで完了する。

私のように頻繁にウェブ小説をダウンロードし、読んだらその都度消していく習慣の場合、削除が1ステップ短くなるのは大きい。

2011/09/30 18:22追記
バージョン1.2.8で、削除実行後に編集モードが自動的に解除される仕様に改められた。


第2の提案は、"ごみ箱"アイコンの設置だ。

本棚画面では、ドラッグアンドドロップで本を自由に並べ替えることができる。

本をドラッグした時に、上の"ダウンロード"と"時計(履歴)"アイコンの間に"ごみ箱"アイコンが現れるようにしてはどうだろう。

本をごみ箱までドラッグして指を離せば、一続きの動作で本を1冊削除できることになる。

従来の仕様では、複数の本をまとめて削除するには効率が良いが、読んだ本をその都度削除するには無駄がある。

ごみ箱アイコンがドラッグ中だけ現れるようにすれば、画面を煩雑にすることもなく、気持ち良く簡単に1冊の本の削除を行える。

第3の提案は、リストのスワイプ削除だ。

リスト画面では、本棚画面と違って編集モードに入らないと本の並べ替えはできないので、ごみ箱アイコンへのドラッグアンドドロップは無理がある。

その代わりに、リスト画面では、iPhoneで標準的な"横スワイプして削除ボタンを出す"ユーザインタフェイスを採用してはどうだろう。

本を1冊だけ削除する場合は、わずか2ステップで削除できることになる。




posted by リーダーアプリ奉行 at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | bREADER | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月14日

青空文庫の新規公開作品をiPhoneの青空文庫リーダーで読めるか?その1(bREADER)

Macで青空文庫の新規公開作品リストを見ていて、喜田貞吉の『間人考』を読んでみようと思った。

Google Chromeに拡張機能「縦書き」を入れれば、そのままMacの画面でも縦書きで読めるのだが、せっかくだからiPhoneの青空文庫リーダーで文庫本っぽく読んでみよう。

●bREADER バージョン1.2.7 (更新2011/07/29)

『間人考』の青空文庫ファイルは8月10日公開だ。当然、bREADERの青空文庫データベースにはまだ反映されていない。

一覧の内容を更新する

"ダウンロード"→"Aozora"→右下のインデックスの"わ"をタップして、リストの一番下までスクロールさせ、"一覧の内容を更新する"をタップする。

追加分のみ取得して更新

"追加分のみ取得して更新"ボタンをタップ。

「まひと」で検索

更新が終り、検索バーに「まひと」と入力したところで、『間人考』が絞りこまれた。タイトルをタップするとダウンロードしてくれる。

ダウンロード終了

ダウンロードが終わっても自動的に本を開いてはくれない。気が利かない気もしたが、連続して本をダウンロードしたい時は勝手に本を開くよりこの方がいいのだろう。右上の田の形をしたアイコンをタップすると本棚に戻る。

本棚に戻ると本ができている

『間人考』をタップすると読み始められる。

『間人考』1ページ目

『間人考』2ページ目

あまりにも簡単すぎて気が抜けてしまった。最新の、つまり今日8月14日に公開されたばかりの『河伯令嬢』(泉鏡花)はどうだろう?

「かはくれいじょう」はヒットせず

さすがにヒットしない。bREADERには、直接青空文庫のZIPファイルを開く機能があるので、iPhoneのMobile Safariで"かはくれいじょう 河伯令嬢"を検索してみる。

Safariで検索

一発で青空文庫の図書カードがヒットした。

河伯令嬢のZIPファイル

ZIPファイルを開く

ZIPファイルのリンクをタップし、ダイアログで"開く"をタップする。

空白のページに見えるが……

bREADERで開く

ただの空白ページに見えるが、左にスクロールさせるとボタンが現れる。"bREADERで開く"をタップ。

本ができている

書名のよみがおかしい

bREADERが起動し、『河伯令嬢』の本ができている。ただ、書名の読みはうまくセットされなかった。

『河伯令嬢』1ページ目

『河伯令嬢』2ページ目

『河伯令嬢』3ページ目

bREADERだと最新の公開作品も比較的簡単に読めることが分かった。

次回は、i文庫Sで試してみよう。次に続く
posted by リーダーアプリ奉行 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | bREADER | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

私がbREADERでテキストを読むのにePubでなくプレーンテキストを使うワケ

私がbREADERでテキストを読むのにePubでなくプレーンテキストを使うワケ

前の記事「私がbREADERでテキストを読むのにiTunesを使わずDropboxを使うワケ」では、bREADERで既に対応しているePubでなくプレーンテキストでウェブ小説を読んでいると書いた。

bREADERがサポートしているアップローダbookYARDでは、ネット小説サイト「小説を読もう!」「Arcadia」「WhiteWind」のURLから自動的にePub形式ファイルを生成する2EPUBコンバータを提供している。

ePub形式への変換を自動的に設定するブックマークレットまである。

それなのに、わざわざウェブからコピペしてテキストを保存するのはなぜか?

ePub3の仕様はは5月23日に確定したが、bREADERのePubサポートはまだ青空文庫形式へのそれと比べて十分でないのだ。

bREADER バージョン1.2.7の設定画面を見ると、青空文庫形式のテキストに対しては行末揃えなどの組版ルールを適用できることが分かる。

bREADER 1.2.7 設定画面

この設定はプレーンテキストに対しても適用されるが、ePub形式のテキストには適用されない。

「商業出版物の組版ルールなんて、一般人は知らないから関係ない」と言う人には、iOSヒューマンインターフェイスガイドラインの一文「ユーザは直接操作や一貫性などのヒューマンインターフェイスの設計原則については認識していないかもしれませんが、原則に従っている場合とそうでない場合を見分けることができます」をもじって答えよう。

「ユーザは禁則処理や字詰めなどの日本語の組版ルールについては認識していないかもしれませんが、ルールに従っている場合とそうでない場合を見分けることができます」

下がePub形式に変換してbREADERから開いた例だ。見出しは太字になっているが、行末が揃っていない。
bREADER 1.2.7でePub 1

句読点が二分(半角分)はみ出したり引っ込んだりしているのはぶら下げ禁則ではよくあるので目をつぶるとしても、全角以上の空き(空白)ができるのは頂けない。また、天(行頭)の丸括弧の前にも二分空きができている。
bREADER 1.2.7でePub 2

また、読点(、)と開き鉤括弧(「)の連続で間に全角分の空白が空いて間延びして見える。商業印刷物ではこういう場合、二分空きに調整する。
bREADER 1.2.7でePub 3

プレーンテキスト形式でbREADERから開いた例を見てみよう。行末が読点も含めてきれいに揃っている。
bREADER 1.2.7でプレーンテキスト 1

段落の途中で行頭に来た丸括弧の前の空白が詰められている(天ツキという)。段落の初めの場合は自動的に二分空きになるので、そこで段落が改められているかどうかすぐに分かる。
bREADER 1.2.7でプレーンテキスト 2

読点に鉤括弧が続く部分の空きが適切に調整されている。
bREADER 1.2.7でプレーンテキスト 3
posted by リーダーアプリ奉行 at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | bREADER | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月08日

私がbREADERでテキストを読むのにiTunesを使わずDropboxを使うワケ

青空文庫リーダーとして有名なbREADER (600円)だが、読めるのは青空文庫だけではない。

私が暇つぶしを兼ねて公共交通機関で移動中に読むのは、最近文庫本ではなくiPhoneに収めたウェブ小説になった。

ネット上で無料で公開されているオリジナルや二次創作だ。

HTMLからePubにコンバートするサービスもあるが、あえて私はエディタにコピペしてプレーンテキスト化している。

ePubでなくプレーンテキストで読むワケはまた改めて投稿しよう。

テキスト化した小説をiPhoneに送り込む方法はいくつかある。

iTunesを使う方法、i-Funboxなどのフリーソフトを使う方法、Wi-Fiを使う方法、そしてDropboxを使う方法だ。

私はDropboxを使っている。なぜか?

iTunesを使う方法は一般的だが、いちいちUSBケーブルをiPhoneにつながねばならない。iTunesへファイルをドラッグアンドドロップするのもかったるい。

i-FunboxなどのフリーソフトはiTunesより軽快に動作するらしいが、やはり紐付きだ。

iPhoneをFTPサーバにしてWi−Fi経由でデータを送れるアプリもあるが、MacでいちいちFTPクライアントを起動するのも面倒だ。

Dropboxなら、Macから (Windows PCでもOK) ふつうのフォルダと同様にDropboxフォルダに保存するだけだ。

bREADER バージョン1.2.7 には、URLやクリップボードのテキストを本にする便利な機能もあるが、私は自宅で暇なときにウェブのテキストをコピペして、エディタで要らない広告文などをカットして1本のテキストファイルにまとめ、Dropboxに保存している。

iPhoneからは、無料のDropbox純正アプリかDropbox対応アプリでそのファイルを開き、Open InでbREADERに受け渡せる。

Open Inでテキストファイルを受け取れるのは、私の知る限り、青空文庫リーダーではbREADERと金沢文庫だけだ。

「読み上げ」させるテキストは金沢文庫に、「読む」テキストはbREADERで開く。

i文庫SにはDropboxから直接テキストをダウンロードする機能があり、こちらの方が手っ取り早いが、Dropboxの元のファイルを削除するとi文庫Sでも読めなくなってしまうという問題がある。(バージョン1.04での話)

まだDropboxのアカウントを取得していない人は、この機会に申し込んでおこう。

下のリンクから申しこめば、250MBのボーナス付きで2.25GBの容量が無料使える。

ついでに私の容量にも250MBのボーナスが付くので嬉しい。

250MBのボーナス付きで無料のDropboxアカウントを申し込む

Dropbox純正アプリで保存したテキストファイルを開いたところ
Dropbox純正アプリでテキストを開いたところ

右下のメニューボタンをタップするとOpen Inメニューが現れる
右下のメニューボタンをタップするとOpen Inメニューが出る

bREADERが取り込んだテキストを自動的に本にした
bREADERで出来た本を開く

記号を含めて版面の天地が揃っているのが嬉しい。
天地が記号を含めて揃えられているのが嬉しい




ラベル:bREADER Dropbox
posted by リーダーアプリ奉行 at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | bREADER | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする