2012年01月02日

SkyBookの青空文庫形式対応テスト android_readerウィキの追試

i文庫SとbREADERの青空文庫形式対応テスト android_reader@ウィキの追試」に引き続き、ポケット文庫SkyBook (250円)でも追試してみた。

SkyBook バージョン2.8.15 (更新: 2011/11/15)
Open In非対応なので、テストテキストを直接読み込んだ。
SkyBook テスト
SkyBook テスト2
SkyBook テスト3
SkyBook テスト4
◯×◯××◯×××△××◯◯◯◯◯◯
ちょんちょん表示対応。
注記だけの行は削除される。
最大読み込みファイルサイズは不明。
対応していない注記は非表示。
まとめると、字寄せ、字詰め、太字、傍線、大見出し、文字サイズ、罫囲い、割り注、横組みに非対応。


ラベル:SkyBook android 比較
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i文庫SとbREADERの青空文庫形式対応テスト android_reader@ウィキの追試

android_reader @ ウィキにあった「Android用 青空文庫ビューア 青空文庫形式対応、機能比較 2011/12/29」をi文庫S (350円)bREADER (350円)で追試してみた。

◯×△はウィキでのテスト項目(1)〜(18)に対応する。◯は対応、×は非対応、△は一部対応。

i文庫S Ver.2.1.2 (更新: 2011/12/23)
i文庫S テスト1
i文庫S テスト2
i文庫S テスト3
i文庫S テスト4
i文庫S テスト5
◯◯××△◯△××△××◯◯◯◯×△
ちょんちょん表示対応。注記だけの行は空行になる。
最大読み込みファイルサイズは不明。
対応していない注記は非表示。
まとめると、字下げ、字詰め、見出し、文字サイズ、罫囲み、割り注、横組み、約物の字詰め調整に非対応。
太字はゴシック体ではなくボールドになる。
鎖線と破線が同じで字間が空く。
半角英数字のルビの位置がおかしい。

bREADER Ver.1.3.2 (更新: 2011/10/31)
bREADER テスト1
bREADER テスト2
bREADER テスト3
bREADER テスト4
◯◯△×◯◯◯××△◯◯△◯◯◯◯◯
ちょんちょん表示対応。
注記だけの行は空行になる。
最大読み込みファイルサイズは不明。
対応していない注記は表示するかしないか選べる。
まとめると、字詰め、見出し、文字サイズ、罫囲み、外字注記の一部に非対応。
字下げには対応しているが、折り返しての字下げには非対応。




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2011年09月16日

青空文庫リーダー比較>左側のルビを『海援隊約規』で確認する

豊平文庫のバージョンアップを機に、定番青空文庫リーダーが左に付くルビをどう表示するか確かめてみた。ついでに漢文の訓点なども。

bREADER (600円) バージョン1.2.7 (更新: 2011/07/29)

bREADERで海援隊約規1ページ目

bREADERで海援隊約規2ページ目

レ点や訓点送り仮名は正しく表示されている。

一見すると左に付くルビも表示されているように見えるが、「イキホヒニ」「サマタゲ」「モツトモ」は本来右に付くルビだ。レ点の後で行末までルビが左に付いてしまうのはバグだろう。

また、熟語を表すために漢字の間にハイフンが竪点(たててん)として入っているが、縦中横の処理で横向きになってしまっている。

bREADERで海援隊約規(非対応注記表示)

bREADERでは設定で非対応の注記を隠さないようにすることもできる。非対応の注記を表示する設定だと、読みづらくはあるが、左に付くルビの存在を確認することはできる。

i文庫S (350円) バージョン1.05 (更新: 2011/08/15)

i文庫Sで海援隊約規

i文庫Sで海援隊約規

i文庫Sでは、レ点、訓点送り仮名、竪点は正しく表示されている。ただ、右に付くルビが対応する漢字からずれている箇所がある(「イキホヒニ」)。左に付くルビは表示されない。左に付くルビの存在を知る方法もない。

i文庫 (350円) バージョン2.70 (更新: 2010/12/20)

i文庫で海援隊約規

i文庫で海援隊約規

i文庫はi文庫Sより古いだけあって、残念な結果になった。正しく表示されているのは竪点ぐらいだ。

右に付くルビも対応する漢字からずれている箇所がある。レ点、訓点送り仮名、左側のルビは表示されない。

また、「是尤慎ム」の前に不自然な改行が入っている。

ポケット文庫SkyBook (250円) バージョン2.8.12 (更新: 2011/09/07)

SkyBookで海援隊約規

SkyBookで海援隊躍起

SkyBookは更新が新しい割には残念な結果になった。

うまく表示されているのは竪点ぐらいだ。レ点や訓点送り仮名、左に付くルビは表示されず、右に付くルビもルビ同士が一部重なってしまっている。
2011/10/27 22:40追記
SkyBook バージョン2.8.14でレ点や訓点送り仮名に対応した。表示例はこちら

豊平文庫 (350円) バージョン1.9.15 (更新: 2011/09/15)

豊平文庫で海援隊約規

豊平文庫で海援隊約規

左に付くルビが正しく表示されたのは豊平文庫だけだ(「開‐柘」の左の「ヒラキ」や「儕輩」の左の「トモガラ」など。

レ点、訓点送り仮名、竪点も正しく表示されている。

訓点送り仮名が微妙に小さすぎたり、ルビやが版面の天地をはみ出していたり、竪点が間延びして見えるなど気になる点はあるが、注記の再現性は最も高いと言える。


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2011年08月12日

『長崎の鐘』を読む>青空文庫リーダー6種の見え方の違い(bREADER,i文庫S,i文庫,Skybook,豊平文庫,金沢文庫)

原民喜の『長崎の鐘』を読んでみた。

試しに代表的な青空文庫リーダー4種(bREADER、i文庫S、SkyBook、豊平文庫)とi文庫Sの旧バージョンであるi文庫、音声読み上げ用の金沢文庫で表示させてみると、予想以上に見え方の違いが大きかった。

リーダーによる見え方の違いのサンプルとして残しておこう。

●bREADER バージョン1.2.7 (更新2011/07/29)

まずは常用しているbREADERからいこう。

bREADER 1
半角英字がきれいに横になっている。句読点も含めて行末が揃うのはbREADERだけだ。長音符(ー)が行頭に来ているが、設定で禁則処理の対象にすることもできる。他のアプリでよくある大扉(本の最初に設けられた署名や著者名を示す最初のページのこと)は自動生成されない。bREADER作者の趣味なのだろうか。右上の時刻表示はその上をワンタップするとオンオフできる。

bREADER 2
三点リーダ(……)は商業出版物では分離禁止対象だが、bREADERでは禁止になっていない。bREADER作者に問い合わせたことがあるが、『ドグラ・マグラ』のように三点リーダの頻出する作品の処理が難しくなるためらしい。設定でオンオフできるといいのだが。

bREADER 3
傍点(黒ゴマ)が正しく表示されている。

bREADER 4
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めが調整されている。最近の出版物では閉じ鉤括弧の前の句点を省略することが多いが、省略しなくても間違いではない。

bREADER 5
デフォルトのフォントでは二倍ダーシ(――)がつながって表示されている。元々活版印刷の時代にはつながった活字だったため、分離禁止文字だったが、bREADERでは三点リーダと同様に分離禁止ではない。

bREADER 6
コロン(:)が適切に表示されている。2桁までの半角数字は縦中横で立てて表示される。3桁以上の半角数字は横倒しになる。

三点リーダや二倍ダーシの分離禁止オプションが欲しいところだが、それ以外は最も日本語の組版ルール(商業出版物が準拠している文字組のルール)に添っている。本物の文庫本にかなり近い。

●i文庫S バージョン1.04 (更新2011/06/05)

次は、iPhoneの青空文庫リーダーの代名詞とも言える高い知名度を持つi文庫の新版(iPad版のi文庫HDの逆移植バージョン)であるi文庫Sだ。

i文庫S 1
いかにも文庫本っぽい大扉が自動生成される。スクリーンショットでは分からないが、めくりのトランジション(画面切替効果)はi文庫Sが最も自然だ。

i文庫S 2
半角の英字は横倒しにするかどうか選べるが、どういうわけか全て全角英字になってしまう。あまり読みやすいとは言いがたい。なぜこんな処理をしているのだろう? 文字詰めの処理を簡略化するためだろうか。

i文庫S 3
長音符は行頭禁則の対象になっていない。禁則の対象にする設定もない。

i文庫S 4
傍点(黒ゴマ)は正しく表示されている。

i文庫S 5
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めが調整されている。ところが、読点(、)と開き鉤括弧(「)が連続した時の字詰めは調整されない。後者の方が最近はよく使われるパターンだと思うのだが。

i文庫S 6
デフォルトのフォントでは二倍ダーシがつながって表示されている。この版面では分からないが、三点リーダや二倍ダーシは分離禁止文字ではない。

i文庫S 7

i文庫S 8
コロンは立ったままだ。半角数字は自動的に全角に変換されてしまう。回転するかどうかは設定で指定できる。縦中横の処理はない。

二倍ダーシや傍点の処理は適切だが、半角英数字の処理など詰めが甘い。

2011/12/07 20:20追記
バージョン2.1.0で半角英数字の扱いが改善された。表示例はこちら

●i文庫 バージョン 2.70 (更新2010/12/21)

すでに旧バージョンになってアップデートもないが、既存のユーザは多いはずなので、比較のためにi文庫でも試してみた。

i文庫 1
やはり大扉が自動生成される。めくりではなくスライド式のページ移動だ。

i文庫 2
半角英字は横倒しにするかどうか選べるが、横倒しにすると半角のまま全角の文字送りで表示される。i文庫Sよりひどい。

i文庫 3
長音符は行頭禁則の対象になっていない。禁則の対象にする設定もない。これはi文庫Sと同様だ。

i文庫 4
傍点(黒ゴマ)は正しく表示されている。

i文庫 5
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めは調整されていない。

i文庫 6
二倍ダーシが途中で途切れてしまっている。

i文庫 7

i文庫 8
コロンは立ったままだ。半角数字を回転するかどうかは設定で指定できる。回転させない方がマシなようだ。

比較してみると、i文庫Sは少しだけ進歩していたのだなと分かる。期待ほどではなかったが。

●SkyBook バージョン2.8.11 (更新2011/07/30)

次は、値下げセールのおかげか仕事効率化ランキングでも順位が上昇しているSkyBookだ。

SkyBook 1
SkyBookでも、それらしい大扉が自動生成される。ページめくりのアニメーションはできるが、どこでめくっても左下からめくれるためあまり自然ではない。

SkyBook 2
半角英字は横倒しで表示されるが、プロポーショナルフォントではない。全角と半角で別々にフォントを指定する設定がないせいだろうか。また、半角の文字数が奇数なのに、文字送りを調整していないため、行末が凸凹になっている。

SkyBook 3
長音符は行頭禁則の対象になっていない。禁則の対象にする設定もない。三点リーダは分離禁止になっているが、行末を揃えないため前の行末が1文字分不自然に空いている。

SkyBook 4
傍点(黒ゴマ)は正しく表示されている。

SkyBook 5
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めが調整されている。ところが、読点(、)と開き鉤括弧(「)が連続した時の字詰めは調整されない。後者の方が最近はよく使われるパターンだと思うのだが。デフォルトのフォントでは二倍ダーシはつながって表示される。
2011/08/15 08:10訂正
読点(、)と開き鉤括弧(「)が連続した時に字詰めが調整されないというのは間違いだった。二分(半角)空きになるように調整される。ただし、行末は揃えられないため、その分引っ込んで見えてしまう。
2011/09/07 13:00追記
バージョン2.8.12で行末揃えが実装され、禁則処理を施しても行末が凸凹にならなくなった。バージョン2.8.12での表示例はこちら

SkyBook 6
コロンは適切に寝ている。半角数字は2文字の場合に限って縦中横の処理が施されるようだ。1文字の場合に寝ているのは違和感がある。

SkyBookは半角英字や禁則処理が発生した場合の文字送りが課題だ。行末が凸凹になるのは見苦しい。

●豊平文庫 バージョン1.9.13 (更新2011/07/23)

豊平文庫は他のアプリとは違って、純粋な青空文庫専用のリーダーだ。独自のテキストを読み込む機能はない。その代わりに初期設定など操作は比較的分かりやすくなっている。

豊平文庫 1
大扉はない。半角英字は立ったままだ。これは見栄えがよくない。

豊平文庫 2
長音符が禁則処理の対象になるのはよいとして、行末にぶら下げられるのはいかがなものか? 黎明期のワープロ専用機を見るようだ。

豊平文庫 3
傍点(黒ゴマ)が表示されない。傍点は強調の意味で使われる。表示されないのでは著者の意図が再現できないのではないだろうか。

豊平文庫 4
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めは調整されていない。二倍ダーシも途中で途切れてしまっている。

豊平文庫 5
コロンは立ったままだ。半角数字も英字と同様に立ったまま表示される。

傍点や長音符の処理など問題が多い。起動時のスプラッシュは本物の文庫本に似ているのに、中身は文庫本を研究しているとは言いがたい。

2011/09/15 23:30追記
バージョン1.9.15で傍点などに対応している。再度『長崎の鐘』を表示させた例はこちら
2011/10/13 00:50追記
バージョン1.9.17では長音符が行末にぶら下がらなくなり、二倍ダーシもつながるようになった。再度『長崎の鐘』を表示させた例はこちら

●金沢文庫 バージョン1.0.4 (更新2011/08/05)

金沢文庫は「読む」ためというより「読み上げさせる」ためのリーダーの性格が強い。

したがって画面表示の比重は低いのだが、一応比較のために取り上げる。

金沢文庫 1
大扉はない。半角英字は立ったまま表示される。めくりのアニメーションはなく、ページがスライドする。たまに引っかかる。目立ちすぎる書名、不自然に空いた余白、20文字が最少でその次の刻みは25文字になるという文字詰めの自由度の低さに目を覆いたくなる。

金沢文庫 2
一応句読点の禁則処理はされてるが、長音のフォントが横書きのものを単純に寝かせただけで、ひどく不自然だ。

金沢文庫 3
傍点は表示されない。読み上げるのならあってもなくても同じかもしれないが、傍点のところだけ強調する読み方にする配慮があってもいいのではないだろうか。

金沢文庫 4
句点(。)と閉じ鉤括弧(」)が連続した時の字詰めは調整されていない。

金沢文庫 5
二倍ダーシも途中で途切れてしまっている。

金沢文庫 6
コロンも半角数字は立ったまま表示される。

金沢文庫はユーザインタフェースも論外のレベルだが、表示もiPhoneアプリとは思えないほどひどい。ユーザエクスペリエンスどころの騒ぎではない。音声読み上げ機能とそれに付随する機能以外は劣悪だ。
posted by リーダーアプリ奉行 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 比較 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする